オリジナル新編明清筆記小説『雅儲』(二)

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オリジナル新編明清筆記小説『雅儲』(二)
急に中から禿の小僧が早足で出て来た。彼はしばらく鄭板橋を見つめていたが、すぐに部屋に戻って大声で叫んだ。……」すると主人が部屋の中で誰だと聞くのが聞こえた。童が知らないと云うと、主人はすぐ客を追い払うように命じた。そこの書生はあわてて鄭板橋の名を紹介して、主人が出て来た。彼は蘇東坡のような角巾をかぶっていた。王恭のような鶴羽の外套を羽織っている。羊のおじさん風の帯を巻いている。白香山飛雲靴を履いて尾を取り、軽やかに素早く鄭板橋に向かって歩いてきた。この主人はなんと翁である。鄭板橋は慌てて立ち上がり、礼をした。二人はしばし言葉を交わしたが,話はなかなかかみ合った。
鄭板橋が老叟に姓名を問うと、「私は甄と申します、西川の人で、ここに流されています。人々は私を変人だと思って『怪叟』と名づけた」鄭板橋はまた彼に尋ねた。「あの『富児絶跡』という字はどういう意味ですか?」老叟は「揚州の富める者を狙ったものだ。彼等も近頃は、なぜか風流を好んで、わしの所には珍しい花や草があるというから、争って盗み見に来る。銅の臭気にまみれて浄土に入ると、不利なことが多い。ある者は足を滑らせて小川に落ちた。あるものは刺し針で服を破れた。番犬に足をかまれた者もいた。梢に落ちた雀の糞で顔を汚したものもある。さらに奇妙なことには、ある日揚州のある富める者が来て、座敷に坐っていたところ、天井の鼠の穴から落ちてきた瓦に自分の額を打たれ、そのとき血を流して、自分はうなだれてすぐ帰ってしまった。それ以来、二人はお互いに忠告しあって、私の部屋へは入ってこなくなりました。ついでにこの四字を横額にしたのは銘記のためである。「先生は清貧ならいいが、もしお金持ちだったら、あなたにも迷惑をかけるだろう。」鄭板橋は翁の話を聞いて、「私も昔からこの種の人に反感を持っている。幸い自分は福命高く、富める者にはならず、安穏に高斎に入り、雅教を受けた。今日お目にかかれて、これほどの光栄はございません。"
やがて、僮児が清茶を出して客を招き、老叟が琴を使って鄭板橋のために曲を奏でた。寒風が吹いているようで、曲の見分けがつかなかったが、その音の激しさが好きだった。やがて曲は穏やかなものに変わっていった。ぱっと大きな音がして、ぴたりと止まった。叟は「先生はお酒が飲めますか」と聞いた。鄭板橋は、「できる」と答えた。老叟は笑って言いました:「皿の食事の市は遠くて兼味がありません」、これはどうすればいいですか?……」彼はしばらく考えてから独り言のように呟いた。「鍋の中の犬肉はひどく腐っているが、それをもってこの高賢をもてなすわけにはいかない。」鄭板橋は普段犬肉が一番よくて、犬肉があると聞くと、うらやましくてよだれが出そうで、急いで老叟に言いました:「私は犬肉を食べるのが大好きで、犬が8本の足が長くなることを願う人でもあります。」翁は楽道を聞いて,「それはすばらしい!」そして花の下で宴を催し、二人で食事をしたり飲んだりして楽しんでいた。
老叟の宴は犬肉の香りが美しいだけでなく,野菜や果物の味も共にすばらしい。鄭板橋はとても気持ちよかった。老叟は酔いしれて、また剣を抜き出して舞を舞ったが、その剣法にはどのような様式があるのかはわからなかったが、その舞い方は、公孫おばさんの弟子にも負けないほどだった。老翁は白い息を吐いて、ハッと輪の外へとび出したが、相変らず着席した。鄭板橋は頭を下げて、「老先生は本当に高士だ!お酒を一杯飲んでください。お目にかかるのが遅いのが恨めしい!」(つづく)